吃音は遺伝する?

昔から吃音の原因の1つにあげられているのが遺伝。吃音者のいる家系に吃音者が多いというデータがあるのも事実です。しかし、それは遺伝なのでしょうか?それとも環境的要因が影響しているのでしょうか?
吃音と遺伝は関係しているとの根拠として下記の2つの例がよく用いられます。

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カメルーンでの研究

2000年代初頭、カメルーンでの報告が注目されました。
ある有力な家族に吃音者が多く、調査したところ大人106中48人が吃音であることが分かりました。この研究チームは、この家族の遺伝子を調べて、第1染色体に50から60個の関連遺伝子を突き止めたと発表されました。この研究結果の報告は、吃音が遺伝の関係に改めて注目させたるものとなりました。

パキスタンでの研究

こちらは2010年に発表された報告です。
第12染色体上に関連遺伝子を発見し、パキスタンの吃音者の多い家族で調査したところ、約10パーセントに異変を確認しました。一方、吃音のないパキスタン人では、192人中たった1人しか遺伝子変異がなく、吃音のない北アメリカ人の調査では552例で遺伝子変異がありませんでした。また、この研究では吃音に関連する3つの遺伝子を特定したともされています。

吃音と遺伝の最新研究

この2つの研究報告がありながら、吃音と遺伝の関係は現在でも特定できていないと言えるでしょう。
まず、カメルーンの研究では、関連遺伝子が50~60も存在しています。無数にある遺伝子から50~60に特定したことは前進ではありますが、これだけたくさんの遺伝子による複数要因ということになります。
また、カメルーンの研究では第1染色体に異常があり、パキスタンの研究では第12染色体に異常があるとされています。同じ吃音と遺伝の研究でありながら、全く違う染色体に触れています。更に、パキスタンの研究では、吃音者の中でも10%でしかこの染色体の異常を確認できていません。
また、この研究では家族構成には触れられていません。日本と違い、カメルーンやパキスタンでは大家族で生活しているのが一般的で、環境的が原因が排除できていません。
このように、吃音と遺伝の関係は研究途中ではありますが、もし研究が進んだとしても、遺伝が原因とされる吃音者はほんの一部でしょう。逆に、遺伝が関係していない吃音者が大多数だと推測されます。ですので、もし吃音は遺伝だから仕方がないと諦める必要はないでしょう。

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