「どもり」「吃音」の原因と基礎知識

「どもり」や「吃音」について、イメージばかりが先行し、なかなか理解が進んでいないのが実情です。単なる話し方の癖と捉える人もいれば、病気と捉えられる場合もあり、あがり症の延長だと捉える人もいます。また、吃音に悩んでいる人でさえそれを認めたくないために深く吃音について調べたことがない場合もあります。
そこで、吃音に関する原因や基礎知識についてまとめてみます。

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「どもり」とは?

「どもり」は、話し方の特徴の1つで、先頭の音を繰り返してしまう状態です。「お、お、お、おはよう」などというような話し方をする場合、「どもる」と言われます。最近では「どもり」とはあまり言われなくなってきています。

「吃音」とは?

「どもり」と同じように、言葉を繰り返してしまったり、詰まってしまったりする状態です。一般的には「どもり」より幅広い意味でとらえられ、連声型・伸発型・無声型の3タイプに分類されます。

「どもり」と「吃音」の違い

「どもり」と「吃音」はほぼ同じ意味だと捉えて問題さりませんが、「吃音」の方が無声型などの幅広い意味合いがあります。しかし、それ以上に近年では「どもり」という言葉の代わりに「吃音」が使用されるようになってきています。「どもり」は差別用語として認識され、マスメディアでは放送禁止用語扱いされるようになりました。

「どもり」「吃音」の原因

「どもり」「吃音」の原因の原因は、残念ながら現代の医学でも解明されていません。しかし心理的要因・環境的要因・遺伝的要因・脳の要因があり、複数の要因が絡み合って進行したり重症化すると考えられています。ですので、これらの要因ごとに自己分析し、それぞれの要因を取り払ったり軽減させたりすることが吃音改善の鍵になります。

「吃音」とストレス

吃音とストレスは密接な関係にあります。吃音になるきっかけはさまざまですが、繰り返してしまったり重症化してしまう原因にはストレスが大きく関わっています。自分では気が付かないうちに大きなストレスを抱えてしまっている場合もありますし、吃音に悩むこと自体がストレスになり深刻化してしまう場合もあります。これらを客観的に見極め、ストレスを軽減させることが吃音改善の重要な要素でもあります。

「吃音」と生活環境

生活環境も吃音と密接な関係がありますが、一言に生活環境といってもさまざまなケースがあります。例えば、家族に吃音者がいる環境で育つと、お子様に吃音がでてしまう場合もあります。また、両親の離婚や虐待を受けるなど、生活環境からストレスを受けることで吃音になってしまうこともあります。ですので、生活環境とひとくくりにするのではなく、原因になっている要素を分析することが重要です。

「吃音」と脳の関係

最近では吃音は脳の働きが関係しているとの研究結果も発表されています。具体的には、通常人間は左脳に言語をつかさどる部分があり、言葉を話す際には左脳が活発になりますが、吃音者が言葉に詰まっている状態では、左脳の活動が低下し、逆に右脳が過剰の反応しているという研究結果があります。しかし、これは吃音の状態にある時の脳の働きを示しているだけで、脳の働きが原因という訳ではありません。また、神経伝達物質の1つであるセロトニンが不足しているために吃音が発生しているという説もありますが、その因果関係はまだ証明されていませんし、なぜ不足するのかも不明です。ごくまれに事故や怪我で脳に損傷を負い、その結果吃音を発症することはありますが、それ以外の場合、吃音と脳の関係は未だ研究中の段階です。

「吃音」と遺伝の関係

以前は吃音は遺伝するものだと考えられていました。確かに吃音者のお子様が同じように吃音になってしまうケースはよくあります。しかし、最近ではこれはむしろ環境的な原因だと考えられるようになっています。例えば、友達や親友が吃音者で移ってしまったというケースもあります。同じように、お父さんやお母さんが吃音者の場合、お子様のその言葉を聞いて育ちますので、無意識のうちにマネをしてしまいます。むしろ、吃音が遺伝するという事は科学的に証明されていません。
もし家族が吃音だから仕方がないと諦めている方がいたら、今からでも考え方を変えてみましょう。

「吃音」の種類

「吃音症」には下記の3タイプがあります。

連声型

単音や単語の一部を連発して繰り返し発音するタイプ
例)「お、お、お、お、お、おはようございます」

伸発型

最初の単音を長く伸ばして発音するタイプ
例)「おーーーーはようございます」

無声型

最初の単音が発せられず詰まってしまうタイプ
例)「・・・・・・・・おはようございます」

「吃音」の状態と段階

吃音は、進行度によっても4つに分類することができます。
一概にどこに当てはまるかを分類することは難しいですし賛否はあると思いますが、進行度が進めば進むほど原因も複雑化し対処法も変わってきます。ですので、目安としてとらえ、参考にして頂ければと思います。

進行度1

「こ、こ、こんにちは」「こーんにちは」というように、
軽い先頭文字の繰り返しや引き延ばしが見られるケースです。
この際、話し方に力みなどがなく、本人も自覚していない状態です。

進行度2

進行度1が少し進行した状態で、繰り返しや引き延ばしが長くなった状態です。
本人にも吃音の自覚があり、話す際にも力みが見られるようになります。

進行度3

言葉がなかなか出てこなくなった状態です。
話す際に表情がこわばってしまったり、言葉を発する際に手を振ったり首を動かしたりする動作が表れます。
言葉を察する際に、またどもってしまうのではないかという不安にかられてしまう状態になります。

進行度4

話すことを避けてしまう状態です。
言葉を発することに恐怖を感じ、ほとんど話すことを拒否してしまいます。
周りとのコミュニケーションにも支障をきたしてしまう状態です。

「吃音」の有名人

吃音で悩んだ経験のある有名人や芸能人は、実に数えきれないほどいます。現役で活躍されている方から歴史的な偉業を達成した方までさまざまです。また、吃音を克服するためにあえて話すことを職業にして成功した方、吃音というコンプレックスを克服するために書くことを職業にした方、その他の別のジャンルで才能を開花させた方などさまざまです。この方々がどのようにして吃音を克服したか、どのように吃音と付き合ってきたかなどはとても参考になります。

吃音者の受賞履歴

世界的な賞や国民的な栄誉に輝いた方の中にも、吃音に悩んだ経験がある方が大勢います。特にノーベル賞や芥川賞・直木賞には吃音者が多く、叙勲受章者にも多数の吃音経験者がいます。吃音者にはある特定の分野で人並み外れた才能を発揮する方が多いとも言えるでしょう。

吃音の歴史

吃音者は、時代や地域によってさまざまな扱いをされてきた経緯があります。ある時は悪魔が乗り移ったと言われ、またある時は神格化されたりしたこともありました。また、ある罪を犯した結果だと言われたり、ある食べ物を食べると吃音になるという迷信が信じられた時期もあり、差別されたこともありました。
このような吃音に関する歴史をまとめてみました。

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